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施設の中では、利用者数及びベッド稼働率共に一番の実績を残している。これは、前述の自然環境の素晴らしさもさることながら、所員手製のイカダで日常にはないアドベンチャーを楽しめる、新冠川イカダ下りの自然体験学習プログラムの人気にも助けられている。また、近年幅広い世代の人々が楽しんでいるパークゴルフのコース(18ホール、パー72)も青年の家の敷地内に常設していることで、新冠町民のみならず近隣町民の来所も多く、利用客増の要因になっている。
■管内青年団体とのかかわり
日高管内青年団体協議会(日青協)は日高管内各町村青年団体の連合体として昭和26年に設立された長い歴史のある協議会である。日青協は当青年の家が開所した翌年の昭和42年に、青年の家の敷地内に青年団活動のシンボルとしての「日高青年の像」を建立し、当青年の家を名実ともに青年団活動の拠点として利用することになった。その後、青年の家が日青協の事務局所在地となり、青年の家に日高教育局から派遣された社会教育主事が日常業務と並行して青年団活動を支援することになって現在に至っている。
新冠町にある当青年の家は、細長い地形にある日高管内の中部に位置することから、管内の青年が集まりやすい利点がある。従って現在、役員会、理事会、定期総会など年に20回程度開かれる日青協の会議のほとんどを青年の家で行っている。毎回、稼業や勤務を終えて青年達が集まるのは夜の8時を回り、終了は12時を超えることが度々である。
■共催事業「ワイワイトーク」の
経緯
青年の家が日常的な会議の場として利用されるだけでなく、年に一度日高の青年が夜を徹して交流する機会として、約30年間に渡って継続されて来た事業がある。
それは、青年の家開所2年目の昭和42年に、青年の家の主催事業としてスタートした「郷土を担う青年の集い」(現在、「ワイワイトーク」)である。当時の開催趣旨内容は次のように書かれている。「参加する青年の中から運営委員を出してプログラムの自主編成をし、現代社会において若者はどうあるべきか考え、模索しながら郷土をつくる若い力を培う。」
昭和45年から昭和48年までは休止していたが、昭和49年から「郷土をつくる若者の集い」とネーミングを変えて再開し、昭和55年から青年の家の主催事業から日青協との共催事業となり、平成5年から再度「ワイワイトーク」とネーミングを変更して現在に至っている。
過去の事業報告をひもとくと、その時代の様子を反映するテーマや講師や参加者の顔触れ、そして青年団の状況などが伺われる。ここでは紙面の関係で経緯の詳細は割愛するが、青年団が活況を呈した時代からみれば、現在は規模、内容共に寂しさを否めない。しかし、好むと好まざるにかかわらず、過疎化する地元に残り稼業を継いだり地場産業を支える力になっている若者達が、活動の場と本音で語り合える機会を持ち得ていることは、まさしく「継続は力なり」である。

 

 

 

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